2002年12月6日付けの中国新聞社の紙面に、記者が戸田芳樹にインタビューした内容を要約した記事を、次のように載せている。
『古里・尾道は、風景を通して自分の歴史を見詰めるには最適な町である。自分の親、祖父の記憶までも、積み重ねることが、尾道なら可能という。そんな古里を思うにつれ、戸田は感じる。「日本は戦後、風景を壊してきた。風景をどうつくっていくか責任は重い」』と。
日本ではいまだに造っては壊す(スクラップ&ビルド)という考え方が横行している。良い例が国立競技場の解体と1569億円もの建設費がかかった新国立競技場の新築だ。アスリートの評判も良く、まだまだ使える国立競技場を壊し、高額な税金をはたいて作られた新国立競技場。かたやこの事例は、地方の歴史都市・尾道でも同じこと。どんどん昭和の代表的な歴史的建造物を壊し、新たなものを建築して行く。その結果、昭和の時代の近代建築はほとんど失われている。歴史を味方にしないまちづくりの行く末は?
尾道出身のランドスケープ アーキテクト戸田芳樹が『自分の風景の原点は、尾道にある』と常々いっている。その活躍の断片を、このページに少しだけ載せているので是非ともご覧くださいな。